『夜の大捜査線』

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1967年にアメリカで公開され、アカデミー賞を5つも獲得した作品です。

 

(以下、あらすじです)

 

舞台は人種差別が激しいミシシッピ州のスパルタという田舎町。

 

ある熱い夏の夜、この町の有力者が殺されたことから物語がはじまります。

 

地元警察官が付近を捜査したところ、たまたま駅にいた主人公のヴァージルを見つけます。

 

黒人であり、財布に多額の現金を持っていたという理由だけで、容疑者として警察署に連行されるヴァージル。

 

警察署長からいわれのない疑いを向けられますが、自分がフィラデルフィアの殺人課刑事であることを明かすことで、なんとか容疑が晴れます。

 

殺人事件を扱ったことなどない警察署長は、ヴァージルに捜査協力を依頼。

 

自分を差別的に扱う対応から最初は断りましたが、結局しぶしぶ引き受けることになります。

 

しかし、黒人に対してひどい差別意識を持っている町での捜査のため、ヴァージルは行く先々で屈辱的な言動を浴びせられます。

 

白人たちがやっていることは、けっこう滅茶苦茶です。

 

警察署長も他の人々と同様に激しい差別感情を持っていましたが、ヴァージルの高い操作能力や毅然とした人間性に触れて、少しずつ気持ちが変化していきます。

 

(ここまであらすじ)

 

 

これは1966年に起きた事件という設定です。

 

署長の部屋に綿工場のものと思われるカレンダーが「1966」とありましたから、たぶんそうなんでしょう。

 

今からほんの50年ほど前には、まだこんな露骨な黒人差別があったことに、まず驚きました。

 

舞台となったミシシッピ州は南北戦争時には「南軍」に属し、昔から黒人差別の意識がものすごく強い地域なんですね。

 

とはいっても「時代が変わって、もうちょっと人々の意識が改善されているんじゃないか」と思いきや、とんでもない。

 

1950年代の公民権運動を経て、1964年に公民権法が制定されても、南部の田舎町では「そんなの関係ない」という雰囲気があったのでしょうね。

 

対して、ヴァージルが住むフィラデルフィアは、ペンシルベニア州の大都市。

 

当時から工業化が進んでいた地域で、(ウィキペディアによると)今は人口で全米第5位の都市です。

 

北部と南部では全く違う黒人への意識が、この物語の重要なポイントになっていました。

 

現代はさすがにここまで露骨な差別はないとは思いますが、なぜアメリカという国が黒人差別に対して、ときに過剰とも思える反応をするのか、改めてこの映画からわかるような気がしました。

 

これだけ深い闇を抱えているだけに、その反動も大きいでしょうね。

 

しかし、過去に犯した過ちからくる価値観を、ときに他国にも押し付けてくるのは、ちょっと納得がいかないところです。

 

黒人差別の問題がフォーカスされがちな作品ですが、謎解き要素もある映画です。

 

真犯人は意外な人物ですので、推理ものとしても楽しめる作品だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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